2016年9月6日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年9月5日)



 9月5日のロンドン市場は取引中盤に円買い優勢の動きに。ただ後半には伸び悩んだ。ドル円は取引前半に103円台半ば手前でもみ合い。東京市場では日銀・黒田総裁の講演をきっかけに円買いの動きが強まったが、ロンドン市場に入ると円買いの動きは一服した。しかし取引中盤に入るとドル円は103円台前半に小幅下落。ただ特段の取引材料もなく、円買いの動きは続かず、取引後半は103円台前半のまま小動きとなった。

 ユーロドルは1.11ドル台後半から1.11ドル台半ば近辺に下落基調で推移。9月のユーロ圏センティックス投資家信頼感は5.6と市場予想を小幅上回り3カ月ぶりの高水準。7月の同圏小売売上高も前年比2.9%増と市場予想を上回り、昨年9月以来の高い伸びを記録したが、ユーロドルはユーロ売り優勢の展開となった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年9月5日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。アジア通貨は比較的底堅く推移する一方で、中南米通貨は軟調だった。

 IDRはBloombergによると対ドルで0.7%の上昇。8月のインドネシア消費者信頼感は113.3と前月から低下し、3カ月ぶりの低水準となった。

 BRLは対ドルで0.7%の下落。ブラジル中銀の週次サーベイでは年末までのUSD/BRL見通しが3.26と2週連続の下方修正。9月4日時点のブラジル貿易収支は4.89億ドルの黒字だった。

 CLPは対ドルで0.3%の下落。7月のチリ経済活動は前年比+0.5%と市場予想を下回り、2014年8月以来の低い伸びに鈍化した。

 CZKは対ドルで変わらず。第2四半期のチェコ実質賃金は前年比3.7%増と市場予想を小幅下振れ。7月のチェコ小売売上高は前年比0.4%減と市場予想に反し2014年5月以来の前年割れを記録した。

 HUFは対ドルで小幅上昇。7月のハンガリー小売売上高は前年比3.8%増と市場予想を下回り、半年ぶりの低い伸びに鈍化した。

 TRYは対ドルで0.2%の上昇。8月のトルコCPIは前年比+8.05%、コアCPIは同+8.41%とともに市場予想を下回った。

 ZARは対ドルで0.8%の上昇。8月のスタンダード銀行・南アフリカPMIは49.8と前月とほぼ同じだった。

2016年9月5日月曜日

景気鈍化・資本流出・元安の流れは変わらない中国経済

 中国の習近平国家主席は3日、同国杭州で開催される20カ国・地域(G20)首脳会議を前に講演し、中国の経済成長を中・高度に維持するためには改革に注力しなければならず、躊躇すれば機会を失うことになると強調。鉄鋼・石炭セクターでの過剰生産能力の削減に向けた中国の取り組みは最も力強く現実的だとし、目標を実現させると述べた。

 一部米系メディアは、匿名の当局者2名の話として、G20首脳宣言草案において、

・われわれは一部産業での過剰生産能力を含む構造問題が世界経済の回復の弱さや低迷した市場の需要によって悪化し、貿易や労働者にマイナスの影響を引き起こしていると認識している。

・鉄鋼や他の産業の過剰生産能力が集団での対応を必要とする世界的な問題だと認識する

との文言が盛り込まれていると報じた。

 各種報道によると、G20首脳会議では、中国の過剰生産や過剰債務といった構造問題に関する議論が活発だった様子。鉄鋼などの過剰生産問題の解決に向け、主要生産国が情報共有や協力を行う「国際フォーラム」の設置合意が5日の首脳宣言に盛り込まれると報じられている。

 昨年末の中国中央経済工作会議でも「五大任務」として指摘されたように、鉄鋼などの過剰生産能力の解消は中国当局が直面している喫緊の課題の一つ。G20という外圧は、表面的には中国当局にとって耳障りなもののように見えなくもないが、供給サイドの構造改革を主張する習主席にとっては、むしろ好都合だったように思える。

 ただ一方で、G20の昨日の討議では、世界経済の下振れリスクが高まっているとの認識で一致。成長の底上げへ機動的な財政措置を含めあらゆる政策を総動員する方針も確認されたようだ。議長を務める中国の習主席は会議の冒頭で「世界経済はけん引力不足や金融市場の動揺、貿易投資の低迷など重層的なリスクに直面している」と指摘。「財政政策と金融政策、構造改革を組み合わせてより全面的なマクロ経済政策を取るべきだ」とも述べた。

 中国にとって悩ましいのは、過剰生産能力の解消と、財政支出拡大による景気刺激策は、両立が難しいこと。手っ取り早く財政支出を拡大させるには公共事業を積み増すのが一般的だが、それでは鉄鋼などの需要も増加し、結果として過剰生産能力の解消が遅れる。

 このため中国では景気刺激策として減税に重きを置いている。中国では5月より、企業の売り上げにかける「営業税」が廃止され、売り上げから仕入れを引いた粗利にかける「増値税」に一本化された。今年の減税規模は5千億元(約8兆元)超が見込まれている。

 過剰生産能力の削減と減税を中心とした景気対策の組み合わせとなれば、中国の製造業セクターは全体として伸び悩む一方、非製造業(小売)セクターは堅調な推移が続くことになる。しかし中国の家計所得は、伸びが鈍化しており、2016年上期は前年比6.5%増と同期のGDP成長率(6.7%増)を下回った。一方、中国・家計の債務残高は2015年末に4,122億ドル(対GDP比39.5%)と過去最高を更新した。新興国で家計債務残高の対GDP比が40%を超えているのは、韓国(88.4%)、マレーシア(71.0%)、シンガポール(60.3%)など家計債務の積み上がりが問題視されている国ばかりで、中国の家計が所得の伸び悩みをカバーする形で債務残高を拡大させると期待するのも無理がある。

 中国経済が投資・輸出主導から消費主導に移り変わる結果として、中国GDPの伸びは今後も鈍化が続くとみるのが自然といえそうだ。8月の中国PMIは、製造業が50.4と2014年10月以来の高水準に改善。中国景気の先行き懸念は後退しているが、中国景気の鈍化は続くとみるべきで、中国の資本流出や人民元安の流れも変わりはないと思われる。

2016年9月4日日曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年9月2日)


 9月2日のロンドン市場はドルが底堅く推移した。ドル円は概ね103円台半ばをやや上回る水準で推移。取引中盤に103円台後半に上昇する場面もあったが、上昇は一時的。米雇用統計の発表を前にドイツ株は前日終値水準で小動き。米債利回りも膠着感の強い動きを続け、ドル円は様子見姿勢が強まった。

 ユーロドルは1.12ドルちょうど近辺から取引中盤には1.11ドル台後半に上昇。ただ後半には1.12ドルちょうど手前に小幅反発した。7月のユーロ圏PPIは前年比-2.8%と3カ月連続で低下率を縮小させたがユーロの上値は重いままだった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年9月2日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。東欧通貨が対ドルで下落する一方、中南米通貨やRUBは原油高を背景に買い優勢となった。

 SGDは対ドルでほぼ変わらず。8月のシンガポール購買部景気指数は49.8と市場予想を上回り、3カ月ぶりの水準に上昇した。
 BRLは対ドルで小幅上昇。8月のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.11%と2014年6月以来の低い伸び。7月のブラジル鉱工業生産は前年比-6.6%と低下率が前月から拡大した。

 COPは対ドルで0.6%の上昇。7月のコロンビア輸出は前年比27.3%減と市場予想を上回る減少となった。8月のコロンビアPPIは前年比2.64%と昨年5月以来の低い伸びに鈍化した。