2016年11月5日土曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年11月4日)


 11月4日のロンドン市場は取引前半に円が買われ、ポンドがじり高の動きを続けたが、ユーロは方向感に欠ける展開となった。ドル円は取引前半に103円台前半から103円ちょうど近辺に下落。ただ中盤以降は103円ちょうど近辺で小動きとなった。ドイツ株など欧州株は、この日も全面安で開始。これを受けて米債利回りも小幅低下となり、ドル円を下押ししたが、中盤に米債利回りは下げ止まり。米雇用統計の発表を前にドル円は様子見姿勢が強まった。

 ポンドドルは1.24ドル台後半から1.25ドルちょうど近辺にじり高の動き。10月の英新車登録台数は前年比1.4%増と2カ月連続で鈍化したが、市場の反応は限定的。ハードブレグジット会費期待を背景にポンドは買い優勢の展開が続いた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年11月4日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチだった。

 PHPは対ドルで0.3%の下落。10月のフィリピンCPIは前年比+2.3%、コアCPIも同+2.3%と、ともに市場予想通りで前月から変わらずだった。

 MYRは対ドルで0.3%の下落。9月のマレーシア貿易収支は75.6億リンギットの黒字と黒字額が市場予想を下振れ。輸出が前年比3.0%減と市場予想を上回る減少となる一方、輸入が市場予想に反しほぼ前年並みとなり貿易収支が悪化した。

 IDRはBloombergによると対ドルでほぼ変わらず。10月のインドネシア消費者信頼感は116.8と昨年3月以来の高水準に上昇した。

 CNYは対ドルで小幅上昇。第3四半期の中国経常収支は712億ドルの黒字と黒字額が前年同期から拡大した。

 BRLは対ドルで0.2%の上昇。10月のブラジルFIPE・CPIは前月比+0.27%とほぼ市場予想通りだった。

 CLPは対ドルで0.9%の下落。チリ中銀は会合議事録(10月19日結果発表分)を公表。政策金利据え置きの決定は全会一致だったが、25bpの利下げが検討されたことが判明した。

 COPは対ドルで0.4%の上昇。コロンビア中銀は四半期インフレ報告を公表。2017年末のインフレは4%をわずかに下回る水準まで鈍化するとの見通しが示されたが、インフレ鈍化は必ずしも利下げを示唆するものではないとの考えも示された。10月のコロンビアPPIは前年比+3.7%と前月から加速した。

 MXNは対ドルで0.8%の上昇。10月のメキシコ国内自動車販売台数は前年比14.6%増と堅調な伸びを維持した。

よい週末をお過ごしください。

2016年11月4日金曜日

米大統領選まで上値の重い動きが続くと予想されるドル円

 ドル相場は米大統領選の共和党候補トランプ氏の大統領就任をひどく恐れているようだ。アメリカ連邦捜査局(FBI)が10月28日、アメリカ大統領選の民主党候補クリントン氏が国務長官在任中に私用メールを使った問題の捜査を再開したと発表すると、ドル円は105円台前半から104円台半ば近辺に下落。週明け31日にドル円は105円ちょうど近辺まで持ち直したが、翌11月1日に米大手メディアの共同調査で、トランプ氏の支持率がクリントン氏の支持率を逆転したとの結果が報じられると、ドル円は104円台後半から103円台後半に下落した。

 2日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で12月の利上げを示唆する内容が示されると、ドル円は103円ちょうど近辺から103円台半ばに反発したが、昨日(3日)に米系メディアがFRBによる捜査でクリントン財団が捜査対象に含まれていると報じると、ドル円は一時102円台半ば近辺と10月4日以来の安値に下落した。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年11月3日)


 11月3日のロンドン市場はドルを買い戻す動きが続くなか、ポンドは取引後半に急上昇した。ポンドドルは取引中盤まで1.23ドル台前半で小動き。後半に入り、ロンドンの高等法院(高等裁判所)が、EU離脱に関しEUとの正式交渉を開始(リスボン条約50条を発動)する際には、英議会の承認を得る必要があると判断したことが伝わると、ハードブレグジット懸念の後退からポンドは買いが先行。ポンドドルは一時1.24ドル台半ば近辺に上昇した。

 その後、ポンドドルは1.23ドル台後半に反落し、再び1.24ドル台半ば近辺に上昇した後に1.24ドルちょうど近辺に下落するなど荒い値動きとなったが、BOEが金融政策委員会の結果を発表する前には1.24ドル台前半に上昇した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年11月3日)

 新興国通貨は対ドルで買い優勢。原油先物価格の下落でBRL、CLP、RUBが下落したが、他通貨は対ドルで底堅い動きとなった。

 THBは対ドルで小幅上昇。10月のタイ消費者信頼感は73.1と前月から低下した。

 BRLは対ドルで0.3%の下落。10月のブラジル商品価格指数は前年比-14.42%と2カ月連続で2桁の低下率を記録した。

 MXNは対ドルで1.0%の上昇。9月のメキシコ景気先行指数は前月比-0.08と7カ月ぶりの大幅マイナス。プラスだった前月もマイナスに下方修正された。

 TRYは対ドルで小幅上昇。10月のトルコCPIは前年比+7.16%と市場予想に反し前月から鈍化。コアCPIも+7.04%と昨年4月以来の低い伸びに鈍化した。10月28日までの週の非居住者によるトルコ国債取引は9600万ドルの買い越しとと4週ぶりに買い越しとなった。

 ZARは対ドルで小幅下落。10月の南アフリカ・スタンダード銀行PMIは50.5と2カ月連続で50超。9月の南アフリカ発電量は前年比1.1%増と6カ月連続の前年越えとなった。

 CZKは対ドルで小幅上昇。チェコ中銀は市場予想通りCZKの対ユーロ上限策といった金融政策の現状維持を決定。同中銀は声明でCZKの上限策の解除は2017年半ばあたりになるだろうとの見方を示し、同中銀のラスノク氏は、マイナス金利について議論したことを明らかにした。

 RUBは対ドルで0.3%の下落。10月28日のロシア金・外貨準備高は3910億ドルと前週から減少。10月のロシアCPIは前年比+6.1%と2014年1月以来の低い伸びに鈍化した。

米大リーグのワールドシリーズでは、カブスが対戦成績4勝3敗で108年ぶり3度目の優勝を果たしました。おめでとうございます。

2016年11月3日木曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年11月2日)


 11月2日のロンドン市場はドルが下落基調で推移した。ドル円は103円台後半から103円台半ば近辺に下落。ドイツ株は下げて始まり、その後は動意に乏しく推移する中、米債利回りは長期債中心に低下基調で推移。米大統領選の不透明感の高まりもあってドル円はドル売り・円買い優勢の展開が続いた。

 ユーロドルは取引前半に1.10ドル台後半から1.11ドルちょうど近辺に上昇。米債利回りの低下を受けてユーロドルはドル売りの動きが強まった。しかし中盤に入るとユーロドルは1.10ドル台後半に反落。10月のドイツ失業者数は1.3万人減と市場予想を上回る減少を記録。一方、同時に発表された同月同国の製造業PMI(確報値)は55.0と市場予想に反し速報値から小幅下方修正され、ユーロの上値を重くした。取引後半に入るとユーロドルは再び1.11ドルちょうど近辺へと上昇した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年11月2日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。東欧通貨は続伸となったが、中南米通貨は原油先物価格の続落でこの日も下落した。

 SGDは対ドルで0.3%の上昇。10月のシンガポール購買部景気指数は50.0と市場予想に反し前月から小幅低下した。

 COPは対ドルで0.8%の下落。8月のコロンビア経済活動指数は前年比+1.1%と市場予想を小幅上回った。

 HUFは対ドルで0.3%の上昇。10月のハンガリー製造業PMIは57.0と市場予想を大きく上回り、前月並みの高水準を維持した。

 PLNは対ドルで小幅下落。10月のポーランド・マークイット製造業PMIは50.2と市場予想を下回り、2014年9月以来の低水準に悪化した。

 RUBは対ドルで0.3%の下落。10月31日のロシアCPIは前週比+0.1%と前週から鈍化した。

よい祝日をお過ごしください

2016年11月2日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年11月1日)


 11月1日のロンドン市場はユーロが上昇基調で推移。ポンドも上昇するなどドルが欧州通貨に対し軟調な動きとなった。ユーロドルは1.09ドル台後半から1.10ドル台前半へと上昇基調で推移。この日はユーロ圏主要国で主だった経済指標の発表がなく材料難。ドイツ株は先週末終値水準で方向感に欠ける動きとなったが、米債利回りは上値が抑えられる展開に。ユーロドルはドル売り・ユーロ買いの動きが続いた。

 ポンドドルは取引前半に1.22ドル台前半から1.22ドル台後半に上昇。取引中盤には1.22ドル台半ば近辺に反落。後半は一時1.22ドル台前半に下落する場面も見られるなど上値の抑えられる動きを見せた。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年11月1日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチ。中南米通貨が対ドルで下落する一方、東欧通貨は上昇した。

 KRWは対ドルで0.4%の上昇。10月の韓国CPIは前年比+1.3%、コアCPIは同+1.5%と、いずれも市場予想に反し前月から加速。9月の同国経常収支は82.6億ドルの黒字と黒字額が前年同月比23.8%減。10月の動向貿易収支は71.6億ドルの黒字と黒字額が市場予想を下回った。

 CNYは対ドルで0.2%の上昇。10月の中国製造業PMIは51.2、同月同国の財新・製造業PMIは51.2と、いずれも市場予想を大きく上回り、2014年7月以来の高水準に上昇した。

 IDRはBloombergによると対ドルで小幅上昇。10月のインドネシアCPIは前年比+3.31%とほぼ市場予想通り。ただコアCPIは同+3.08%と市場予想や前月を小幅下回った。

 THBは対ドルで小幅下落。10月のタイCPIは前年比+0.34%と市場予想を小幅下回った。

 PENは対ドルで変わらず。10月のペルーCPIは前年比+3.41%と市場予想を上回り、5カ月ぶりの高い伸びに加速した。

 BRLは対ドルで1.2%の下落。9月のブラジル鉱工業生産は前年比-4.8%と低下率が市場予想を小幅下振れ。10月のブラジル・マークイット製造業PMIは46.3と前月から小幅上昇。9月のブラジルCNI設備稼働率は76.9%と前月から小幅低下した。10月のブラジル貿易収支は23.5億ドルの黒字と黒字額が市場予想を下回った。

 MXNは対ドルで1.8%の下落。10月のメキシコIMEF指数は製造業が50.7と市場予想を下振れ。一方、非製造業は51.4と市場予想を上回ったが前月からは低下した。9月のメキシコ海外労働者送金は前年比15.7%増と市場予想を上回った。

 COPは対ドルで1.3%の下落。9月のコロンビア輸出は前年比5.6%減と再び前年割れとなった。

 TRYは対ドルで0.8%の下落。10月のトルコ・マークイット製造業PMIは49.8と市場予想を上回った。

 CZKは対ドルで0.7%の上昇。10月のチェコ・マークイット製造業PMIは53.3と市場予想を上回り、3カ月連続で上昇した。

 ZARは対ドルで1.2%の下落。10月の南アフリカ・バークレイズ製造業PMIは45.9と今年1月以来の低水準に低下。10月の南アフリカNaamsa自動車販売台数は前年比10.1%減と市場予想ほど減少しなかった。

 ILSは対ドルで0.6%の上昇。9月のイスラエル先行S指数は前月比+0.33%と昨年11月以来の上昇率を記録した。

昨日、自宅に置き忘れたバニーガールの衣装は、今年の忘年会に使うかもしれないので、ひとまずスーツの隣にハンガーで吊るしておくことにしました。

2016年11月1日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年10月31日)



 10月31日のロンドン市場は、ドルが緩やかながら上昇基調で推移した。ドル円は取引前半に104円台後半から105円ちょうど近辺に上昇。ドイツ株は下げて始まったが、その後は下げ渋り、方向感に欠ける動き。米債利回りは低下基調で推移したが、一部メディアは米大統領選民主党候補クリントン氏の支持層がFBI再調査報道でほとんど影響を受けていないとの調査結果を報道。円売り戻しの動きをサポートした。ただ取引中盤以降のドル円は105円ちょうど近辺で上値が抑えられる動き。米債利回りの低下がドル円の重石となった。

 ユーロドルは取引前半に1.09ドル台後半から1.09ドル台半ばに下落。9月のドイツ小売売上高は前年比0.4%増と市場予想を下回り、ユーロの上値を重くした。取引中盤以降のユーロドルは1.09ドル台半ば近辺でもみ合い。10月のユーロ圏CPI(速報)は前年比+0.5%、コアCPIは同+0.8%といずれも市場予想通り。第3四半期のユーロ圏GDPは前年比1.6%増とこちらも市場予想通りとなった。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年10月31日)

 新興国通貨はCOP、RUBを除き対ドルで底堅い動き。原油先物価格は下落したが、新興国通貨売りの動きは広がらなかった。

 KRWは対ドルでほぼ変わらず。9月の韓国鉱工業生産は前年比-2.0%と市場予想を上回る落ち込み。ただ前年同月の反動の面もあり、前月比では+0.3%とほぼ横ばいだった。

 SGDは対ドルでほぼ変わらず。9月のシンガポールM2は前年比5.2%増と3カ月ぶりの低い伸びに鈍化した。

 THBは対ドルで0.2%の上昇。9月のタイ製造業生産は前年比0.6%増と市場予想通りで前月から鈍化。同月同国の設備稼働率指数は65.2と2カ月連続で上昇したが、前年同月比では小幅低下した。9月のタイ経常収支は29.3億ドルの黒字と黒字額が市場予想を上回り、前年同月からほぼ倍増した。

 MYRは対ドルで小幅上昇。9月のマレーシアM3は前年比2.2%増と前月から鈍化した。

 IDRはBloombergによると対ドルで変わらず。9月のインドネシアM2は前年比5.1%増と2003年1月以来の低い伸びに鈍化した。

 BRLは対ドルで小幅上昇。ブラジル中銀の週次サーベイでは来年末時点の政策金利見通しが10.75%に下方修正。9月のブラジル基礎的財政収支は266億リアルの赤字とほぼ市場予想通りの結果だった。

 MXNは対ドルで0.4%の上昇。第3四半期のメキシコGDPは前年比2.0%増と市場予想を小幅上まった。

 COPは対ドルで0.6%の上昇。9月のコロンビア失業率は8.5%と昨年11月以来の低水準に改善した。

 ZARは対ドルで2.6%の上昇。USD/ZARは13.4台と1カ月ぶりのZAR高水準に下落した。南アフリカ検察は税務関連機関の責任者時代に行ったとされる詐欺行為に関してゴーダン財務相の操作を取り止めると発表。9月の南アフリカM3は前年比5.64%増と市場予想を小幅上回り、2カ月連続で加速。9月の南アフリカ貿易収支は67億ランドの黒字と市場予想に反し大幅黒字に転じた。

 TRYは対ドルで0.4%の上昇。9月のトルコ貿易収支は43.6億ドルの赤字とほぼ市場予想通りの結果だった。

 CZKは対ドルで変わらず。9月のチェコM2は前年比8.7%増と昨年12月以来となる8%台に鈍化した。

 ILSは対ドルで0.6%の上昇。8月のイスラエル製造業生産は前月比3.8%増と昨年11月以来の高い伸び。
9月のイスラエル失業率は4.9%と6か月ぶりの高水準に悪化した。

 PLNは対ドルで0.7%の上昇。10月のポーランドCPIは前年比-0.2%と低下率が市場予想を下回った。

昨日、ハロウィーンの仮装をして出社しようとしたのですが、バニーガールの衣装を自宅に置き忘れてしまいました。


2016年10月31日月曜日

トランプ氏の支持率に関係なく下落圧力がかかるメキシコ・ペソ(MXN)

 米連邦捜査局(FBI)が米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン氏の私用メール問題の再捜査を開始したと発表したことで、同氏と共和党候補ドナルド・トランプ氏との間の支持率の差が縮まっている。30日に発表されたABC・ワシントンポスト調査では、投票予定者の支持率はクリントン氏が46%、トランプ氏が45%。1週間前の同じ調査ではクリントン氏のリードが12ポイントあった。米紙ニューヨーク・タイムズとシエナ大学研究所の共同世論調査では、激戦州の一つとされるフロリダ州でトランプ氏の支持率が46%と、クリントン氏の42%を上回った。前回調査ではクリントン氏が1ポイントリードしていた。11月8日の米大統領選の先行き不透明感は高まっている。

 米大統領選の先行き不透明感が高まったことで、売り圧力が強まりそうな通貨の一つにメキシコ・ペソ(MXN)がある。トランプ氏は、米大統領選の活動中に、メキシコ系移民によるメキシコへの労働者送金を問題視し、不法移民の取り締まり強化や北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しを公言。仮にトランプ氏が米大統領選に勝利すれば、同氏による公約実現でメキシコ景気が悪化するとの見方が市場関係者の間で共有されている。9月にかけてMXNが対ドルで下落を続けた一因に、米大統領選におけるトランプ氏の支持率上昇を指摘する声も多かった。

 トランプ氏の支持率の行方は、クリントン氏のメール問題再調査の行方次第の面があるが、仮にトランプ氏の支持率が再び低下に転じたとしても、MXNが大きく買われるとは期待しにくい。メキシコ景気が低迷を続けているからだ。

 日本時間本日午後11時に発表される第3四半期のメキシコGDPは前年比1.9%増と2014年第2四半期以来の低い伸びに鈍化する見込み。緊縮財政の影響で政府支出は前年並みとなるなか、民間設備投資と輸出は伸び悩み、GDP全体の伸びを抑えると予想される。

 MXNは景気低迷を背景に2014年12月から下落基調が続いている。今年(2016年)のパフォーマンス(先週末時点、対ドル)をみても、ブラジル・レアル(BRL)が23.9%、チリ・ペソ(CLP)が9.0%、コロンビア・ペソ(COP)が6.2%、それぞれ上昇しているのに対し、MXNは9.4%も下落している。メキシコ政府は、景気が低迷を続けているものの緊縮財政路線を継続する意向。このため景気低迷のバッファーであるMXNには下落圧力がかかりやすい。

 メキシコ中銀は資本流出や対外債務の利払い増加を懸念し、米国に追随する形で利上げを続けている。同中銀は9月30日、米FOMCが利上げを見送ったにもかかわらず50bpの利上げを決定。同中銀は声明で利上げの理由としてインフレリスクの悪化を指摘した。その後、発表された9月のメキシコCPIは前年比+2.97%と、昨年4月以来の高い伸びに加速しており、同中銀の見方を裏付けているようにも見えるが、これは前年同月の伸びが低いため(いわゆるベース効果のため)。むしろこれだけMXN安が続いているにもかかわらず、依然としてCPIが3%ちょうど近辺にしか伸びないあたりにメキシコ景気の弱さが示されているとも言える。

 仮に米FOMCが12月に利上げを決めた場合、メキシコ中銀も利上げで追随する可能性が十分あるが、利上げに伴いメキシコ景気がさらに悪化する恐れが十分にあり、MXNの下落圧力が後退することは期待しにくい。メキシコ当局が財政政策と金融政策の両方を引き締めるという現在のポリシーミックスでは、(原油価格の上昇が続くといった神風でも吹かない限り)利上げ→景気悪化→MXN安→利上げ・・・という悪循環が続くとみるべきと思われる。

 USD/MXNの上値の目途は、9月27日に記録した過去最高値(19.93近辺)から10月20日の安値(18.46近辺)の半値戻し水準である19.2近辺と61.8%戻し水準の19.4近辺。そこを上抜けすると、過去最高値(19.9)近辺が視野に入る。