2016年11月24日木曜日

年末115円、来年前半120円を目指す展開が予想されるドル円

 11月8日投開票の米大統領選で共和党トランプ候補が勝利すれば、ドルは下落するとの見方が大勢だった。たしかに、トランプ氏の勝利が濃厚になった日本時間午前11時からドルは売りが先行し、ドル円は午後2時ころに101円台前半と午前中の高値(105円台半ば)から4円以上も下落したが、その後、ドル円は102円台前半まで反発。トランプ氏の勝利演説が終わるとドル円は103円台半ばに上昇し、いったんは103円ちょうど近辺に押されたが、NY市場に入ると上昇基調で推移。終値は105円台後半と、米大統領選開票前の高値を更新した。翌日から今日(11月24日)までドル買いが続いているのは、ご承知のとおりである。

 トランプ勝利=ドル安、というロジックの根拠として、市場関係者の多くが指摘したのは、市場のリスク回避姿勢(リスクオフ)の高まりである。トランプ氏の選挙公約は、アメリカ第一をモットーにした保護貿易主義的な内容が大半で、そんなトランプ氏が米国の大統領に当選することは、米国がこれまで構築してきたグローバリズムに自ら反旗を翻すことを意味する。この先どうなるのだろうかとの連想から、市場のリスクオフが強まると予想する気持ちもわからなくはないし、筆者も同じように考えた。

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年11月23日)


 11月23日のロンドン市場はドルの上値が抑えられる展開となった。ドル円は取引前半に111円ちょうど手前から111円ちょうどを上抜けたが、その後は111円ちょうど近辺でもみ合い。米債利回りが取引中盤までじり安の動きを続け、ドイツ株は下落基調で推移。いずれもドル円の重石となった。

 ユーロドルは取引中盤までじり安の動きが続き、1.06ドル台前半から1.06ドルちょうど近辺に下落した。11月のドイツ製造業PMI(速報値)は54.4と市場予想や前月を下回ったが、同月のユーロ圏製造業PMI(速報値)は53.7と市場予想に反し前月から小幅上昇。指標発表後、ユーロドルは1.06ドルちょうどで下げ止まり、後半は1.06ドル台前半に反発した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年11月23日)

 新興国通貨はTWDを除き対ドルで下落。東欧通貨の下げがやや目立った。

 SGDは対ドルで0.6%の下落。10月のシンガポールCPIは前年比-0.1%、コアCPIは同+1.1%といずれも市場予想を下回った。

 MYRは対ドルで0.5%の下落。マレーシア中銀は市場予想通り政策金利を3.00%で据え置き。同中銀は声明で秩序だった為替市場を確保するために流動性を供給し続ける意向を表明した。

 TWDは対ドルで0.2%の上昇。10月の台湾鉱工業生産は前年比+3.70%と市場予想を下振れ。前月分も下方修正された。

 BRLは対ドルで0.9%の下落。11月のブラジルIPCA-15は前年比+7.64%とほぼ市場予想通りだった。

 MXNは対ドルで0.4%の下落。9月のメキシコ経済活動指数は前年比+1.62%と市場予想通り前月から鈍化。メキシコ中銀は四半期インフレ報告を公表。ガソリン価格がCPIを押し上げるリスクがあり、MXN相場の動向を注視すると表明した。

 TRYは対ドルで0.4%の下落。USD/TRYは一時3.41台後半と過去最高値(TRY最安値)を更新した。10月のトルコ住宅販売は前年比25.1%増と昨年4月以来の高い伸びに加速。エルドアン大統領は銀行に対し、金利を「妥当な水準」に引き下げるよう呼び掛けた。

 ZARは対ドルで0.6%の下落。10月の南アフリカCPIは前年比+6.4%、コアCPIは同+5.7%といずれも市場予想を小幅上回った。

 RUBは対ドルで1.1%の下落。11月21日のロシアCPIは前週比+0.2%と前週から加速した。

ちょっと早いのですが、トランプに飽き気味なので、お正月は花札で遊ぼうと考えています。

2016年11月23日水曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年11月22日)


 11月22日のロンドン市場はドルが上値の重い動きとなった。ドル円は取引序盤に111円ちょうど近辺から111円台前半に上昇。しかし米債利回りが低下に転ずるとドル円は下落基調での推移となり、取引中盤には110円台半ば近辺まで下落した。取引後半に入り、米債利回りが下げ止まると、ドル円は110円台後半に小幅反発したが、終盤に米債利回りはが小幅低下したこともあって、ドル円の上値は抑えられた。

 ユーロドルは取引中盤まで上昇基調で推移し、1.06ドルちょうど近辺から1.06ドル台半ば近辺に上昇。しかし後半に入り米債利回りが下げ止まると、ユーロドルは1.06ドル台前半に反落した。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年11月22日)

 新興国通貨は対ドルでマチマチだった。

 TWDは対ドルで0.2%の上昇。10月の台湾失業率は3.90%と市場予想や前月とほぼ同じだった。

 MYRは対ドルで変わらず。11月15日時点のマレーシア外貨準備は983億ドルと10月末から増加した。

 BRLは対ドルで小幅下落。10月のブラジル経常収支は33.4億ドルの赤字と赤字額が市場予想を小幅上振れ。同月同国の海外直接投資は84.0億ドルと市場予想を大きく上回り、黒字額が昨年12月以来の高水準に拡大した。

 ZARは対ドルで1.2%の上昇。9月の南アフリカ先行指標は94.4と昨年6月以来の高水準。第3四半期の南アフリカ失業率は27.1%と市場予想を上回り、2008年の現行統計開始以来最高を更新した。

 TRYは対ドルで0.7%の下落。11月のトルコ消費者信頼感は68.93と4カ月ぶりの低水準に悪化した。

 HUFは対ドルで小幅上昇。9月のハンガリー平均総賃金は前年比6.7%増と市場予想を上振れ。ハンガリー中銀は市場予想通り政策金利を0.90%で据え置き。同中銀は声明で非伝統的な緩和を実施する用意があると表明したが、政策金利は当面の間、減水準で維持されるだろうとの見通しも示した。

よい休日をお過ごしください。

2016年11月22日火曜日

■ロンドン・NY市場の主要国通貨(2016年11月21日)


 11月21日のロンドン市場はドルが軟調に推移した。ドル円は111円台前半から下落基調で推移し、取引中盤には110円台半ば近辺に下落。。ロンドン市場に入り米債利回りが低下。先週末終値水準で始まったドイツ株もマイナス圏に下落し、ドル円を下押しした。しかし取引後半に入り、米債利回り反発。ドル円も110円台後半に上昇したが、終盤に米債利回りが伸び悩むと、ドル円は再び110円台半ば近辺に下落した。

 ユーロドルは1.06ドルちょうど近辺から上昇基調で推移し、中盤には1.06ドル台半ば近辺に上昇。米債利回りの低下でユーロドルもドル買い優勢となった。取引後半に米債利回りは上昇に転じたが、ユーロドルは1.06ドル台前半で下値の堅い動き。ドイツ連銀が月報で同国成長率は第4四半期に回復するとの見通しを示したことがユーロをサポートした。

■ロンドン・NY市場の新興国通貨(2016年11月21日)

 新興国通貨は一部を除き対ドルで反発。米債利回りの伸び悩みと原油先物価格の上昇が新興国通貨の買い戻しを促した。

 THBは対ドルで0.3%の上昇。第3四半期のタイGDPは前年比3.2%増と市場予想を下振れ。政府消費は前年比5.8%減と成長率を大きく押し下げた。

 TWDは対ドルで変わらず。10月の台湾輸出受注は前年比0.3%増と市場予想を大きく下振れ。第3四半期の台湾経常収支は170.9億ドルの黒字と黒字額が前年同期比6.5%減となった。

 BRLは対ドルで1.0%の上昇。ブラジル中銀の週次エコノミストサーベイでは今年末のUSD/BRL見通しが3.30と2週連続で上方修正。11月20日までのブラジル貿易収支は18.7億ドルの黒字と前月並みの黒字を確保した。

 HUFは対ドルで0.3%の上昇。11月のハンガリー消費者信頼感は-16.5、同月同国の企業景況感は+2.8と、いずれも4カ月ぶりの水準に改善した。

 ILSは対ドルで0.5%の上昇。10月のイスラエル失業率は4.5%と、2012年の統計開始以来、最低を更新した。

 PLNは対ドルで0.3%の上昇。10月のポーランド鉱工業生産販売は前年比-1.3%と市場予想に反し前年割れ。同月同国の小売売上高は同3.7%と市場予想を下回る一方、同月同国PPIは同+0.6%と市場予想を上回った。




PPAP調の曲にあわせて

I have Yen. 右手
I have Dollar. 左手
Woh. 両手をくっつけて
DollarYen!

I have Dollar. 右手
I have Euro. 左手
Woh. 両手をくっつけて
EuroDollar!


DollarYen 右手
EuroDollar 左手


Woh. 両手をくっつけて


EuroYen!!

本日もよろしくお願いいたします。

2016年11月21日月曜日

利上げを迫る勢いのマレーシア・リンギット(MYR)の下落

 マレーシア・リンギット(MYR)の下落が止まらない。Bloombergによると、USD/MYRは本日(11月21日)、4.432台と1月7日以来のMYR安水準に上昇した。ここを上抜けると、次の節目は昨年9月29日の高値(4.4812)。さらに上は、1998年1月23日の高値(4.60ちょうど近辺)や過去最高値(MYR過去最安値)の4.885近辺となる。

 MYR売りが強まった背景には米債利回りの上昇がある。MYRは、アジア通貨の中で米債利回りの上昇に脆弱な傾向が強い。たとえば米2年債利回りが15bp、同国10年債利回りが20bp上昇した先週(11月14~18日)に、MYRは対ドルで2.8%下落と、アジア通貨の中で最大の下落を記録した。

 マレーシア当局がMYR・NDF取引の規制を事実上強化したこともMYR売りの動きを加速させてしまったように思える。マレーシア中銀のイブラヒム総裁は11日、MYR相場は市場で決まるもので、同中銀はMYRについて特定の誘導水準を有しているわけではないとの声明を発表。しかし一方で、同総裁はNDFのような投機的取引でMYR相場が左右されることがあってはならないとも発言。13日には同中銀が、NDF取引のレートを反映させた両替を行わないよう銀行に通達する声明を発表し、18日にはMYRのNDF取引をした個人や銀行に対して「早急な監督上の介入措置」を講じるとの姿勢を表明。MYRのNDF取引にプレッシャーをかけた。こうした当局の行動が、MYR売りが遅れると懸念した外国人投資家によるMYR売りの動きを刺激した可能性がある。

 ただマレーシア当局も、足元で進むMYR安の動きに危機感を募らせているようだ。マレーシア中銀は18日、為替市場でMYR買い介入を実施したことを公表。資本規制の懸念は根拠がなく、外貨準備は依然として十分であるとも指摘し、今後もMYR買い介入を実施する可能性を示唆した。

 マレーシア中銀は日本時間23日午後4時に政策金利を発表する予定。Bloomberg調査によると予想回答者16名全員が、3.00%での金利据え置きを予想している。第3四半期のマレーシアGDPは前年比4.3%増と市場予想に反し前期から加速したが、昨年から比べれば低い伸び。マレーシア景気の弱さを考慮すれば、利上げは考えにくい状況だ。しかしMYR売りの動きが続き、MYR過去最安値が視野に入れば、マレーシア中銀が予想外の利上げに踏切ることも否定できない。ただ仮に利上げがあったとしても、MYR相場が米債利回りに左右される状況が大きく変わることは考えにくく、マレーシア当局は(大規模な資本規制を除けば)MYR買い介入を続けるくらいしかMYR安に対応できないと思われる。