2014年7月29日火曜日

8月中旬くらいから動きそうな円相場

29日に発表された6月の日本・小売業販売額は前年比0.6%減と3カ月連続の前年割れとなりました。同月同国の二人以上世帯の実質消費も同3.0%減と3カ月連続の前年割れ。消費税率が5%から8%に引き上がってからの3カ月間、日本の消費は低迷を続けていることになります。

メディア等々では足元での消費低迷を「消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動減」が続いている、と表現するかもしれませんが、事実を正確に表現しているとは思えません。CPIが消費税率引き上げ後に前年比3%以上の上昇を続けている一方で、一人当たり名目賃金の伸びが1%を下回る伸びとなれば、消費が低迷するは自然のこと。消費税引き上げ効果を取り除いてもCPIは前年比1%以上の伸びを示しているわけですから、一人当たり名目賃金はCPIの伸びに負けています。仮に消費税率が引き上げられなくても、消費はいずれ低迷すると考えるべきだったと思います。

日本株が伸び悩んでいるのも消費低迷の原因の一つでしょう。日経平均株価は1万5500円台を回復しましたが、それでも年初来4%の下落。昨年は日本株が大きく上昇したことで、いわゆる資産効果が生じ、消費を押し上げましたが、今年は昨年のような資産効果を期待するのが難しい状況です。

6月の日本・失業率は3.7%と前月から0.2%pt上昇しました。職探しを始めた方は増えたものの、人気の高い正規雇用は前年比2万人減と増えないまま。非正規雇用は同36万人増と拡大基調を続けていますが、職探し中の労働者の受け皿になり切れていません。

日銀の黒田総裁は日本景気が7-9月期(第3四半期)には再び成長軌道を取り戻すと言明しているだけに、今回(6月)の結果から動くことはできず、当面は様子見姿勢を維持すると思われます。為替市場は29日に発表された日本の経済指標に大きな反応を示しませんでした。おそらく日銀・黒田総裁と同じように7月の日本の指標を見極めたいとの思惑が強いのでしょう。

ただ、7月に入って日本の消費が6月から一気に拡大している、という報道を目にすることもなく、私の周囲の経済状況にも大きな変化が生じた様子もないことから、7月以降に日本景気が成長軌道を取り戻す、という見方が怪しくなってきた気がします。7月の指標が発表され始める8月の中旬あたりからは、これまで動きが少なかったドル円を含め、円相場が動き始めるかもしれません。ちなみに8月8日は日銀の金融政策決定会合と7月の景気ウォッチャー調査、8月11日は7月の消費者態度指数、8月13日には4-6月期(第2四半期)GDP。がそれぞれ発表されます。

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