2014年4月1日火曜日

日本景気がピークアウトした可能性

さきほど発表された日銀短観では、大企業製造業の業況判断DIが+17と前期の+16から上昇したものの、市場予想(+19)を下回りました。先行きは+8と足元のDIや市場予想の+13を大きく下回っています。原油価格の下落を受けて石油・石炭製品の先行きは改善していますが、他製造業のほとんどが、先行き判断を引き下げています。

昨日発表された2月の鉱工業生産は前月比-2.3%と市場予想(+0.3%)を大きく下回りました。同時に発表された製造工業生産予測調査によると、3月は同+0.9%と反発するものの、4月は同-0.6%と再び落ち込む予想となっています。2月は大雪の影響で生産活動がストップしたと報じられていますが、仮にそれが正しいのであれば、3月の生産はもっと大きく伸びてもいい気がします。

日銀短観、鉱工業生産は、いずれも日本景気の現状や先行きを示す指標として知られています。この両者が今年1-3月期に悪化を示したことは単なる偶然ではないでしょう。本日始まったばかりとはいえ、消費税の引き上げによって日本景気が悪化に転ずる可能性を両指標が示していると思えます。

市場関係者の多くは、日本景気が今回の消費税引き上げによって、4-6月期こそ減速するものの、7-9月以降は再び成長基調に回復するとみています。米国景気が底堅く推移しているほか、ドル円も100円超えを維持しているためです。

消費税引き上げ後の影響については、他経済指標も含めて慎重に判断すべきとは思えますが、日本景気の重要指標とされる日銀短観と鉱工業生産が悪化を示唆した以上、市場関係者の見方が大きく修正される展開も視野に入れておくべきと思われます。

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